インタビュー 公開日:2011年2月7日(月)
根本幸治 part2
【略歴】
根本幸治
1990年同志社大学経済学部を卒業し、大手資産運用会社にてファンドマネージャーを勤める。2001年より各種自己研鑽セミナーを100回以上受講しながら、コーチング、スポーツメンタル、NLPの民間資格を取得。現在、モチベーション・プロデューサーとして脳の仕組みを説明する講演会や体験型セミナーを開催し「自分を褒める自信を得た」と、受講満足度の高さから人気講師となる。
新しいものに出会うために大切なのは「好奇心」
新しいものに出会うために必要なものは好奇心だと思います。私も昔は自己研鑽のセミナーの案内は見ていたはずなのに、まったく感じなかった。興味がなかったわけです。しかし、9・11に遭遇してから生きるってことを、無意識のうちに何か哲学的なものを感じているのだと思います。だから、生きるために役立つものや楽しそうなものを見に行きます。例えば目的も無くネットサーフィンをしていても、好奇心があれば見えなかったものが見えてきます。
それではその好奇心を得るために必要なもの・・・自分の感情を揺さぶることが大切だと思うのです。欲を積極的に見て、「きれいになりたい」「ダイエットしたい」とか「昇進したい」「おいしいもの食べたい」「お金持ちになりたい」「結婚したい」などいろいろあると思います。それがけっこう大事なんです。想いが叶うことを確信し行動する。ひょっとすると、自分が描いた夢は自分の本当の望んだものじゃないことに気付く場合もあります。「お金がいくら入っても」「結婚をしても」ちょっと違うな。まだ満足できないな。それじゃ自分が求めるものってなんだろう。何を楽しみに生きているのだろう。こういう好奇心を持っていると行きつくべきところに行き着きます。結論は「自己実現」だと思うのです。
「自己実現」は「自分自身の成長度」と「人とのつながり度」を掛け合わせて出てきます。知りたいものを知り出来ないことが出来るようになるという自己成長と、人から愛され認められるコミュニケーション拡大。このタテ軸とヨコ軸が伸びることで幸福の面積が増すのだと思います。人間形成ということでは器の大きな人間になるわけです。その目標にたどり着けるように、脳はあらかじめプログラムされています。それは、「快を求める」という仕組みです。
プログラムを受講して得られるもの
まず、セミナーの冒頭は「問題提起」から入ります。研修を受けにくる人の中には会社から強制されて嫌々来ている人もいるだろうし、今の自分に満足している人もいるし、問題意識を持たない人も多いと思います。自分のことが好きになれないとか、自信がないという人も多いです。そんな参加者の皆さんに、関心のあるものとか、感情が揺さぶられることを聞いていくわけです。
当然聞いてみるといろいろな人がいます。まず、もっと知りたいと思っている人には情報とか知識を教えてあげればいいわけです。でもそういうことならインターネットとか本などでも満たされるはずです。セミナーではそれだけではつまらない。理屈とか正論は心に響かない。だから私のセミナーでは体を動かしてもらいます。何かをした、やり遂げたという経験をすると心にものすごく響くのです。自分ってこんなことができるのだという感覚、気づきがある。この気づきがものすごく大事だと思うのです。
大切な気づきを増やすためにはイメージが大切なので、例えば私のセミナーでは、たくさんの単語を一気に記憶する体験をしてもらいます。40歳を過ぎると記憶力が悪くなり、仕方がないとあきらめる人は多いでしょう。ところが脳の仕組みを理解していれば記憶なんて簡単です。実際に無理だと思っていた記憶が努力することなく簡単にできてしまう自分の潜在能力に触れ、感動を覚えます。
※アハ!体験っていうものを感じてもらって、バージョンアップの感覚を味わいます。不思議なことに、無理・不可能な事が不思議な事に出来てしまう。すると好奇心が強まり、自分自身への自信が高まります。
自己実現とは想いの現実化です。
脳の仕組みとして、「快を求める」「現実よりもイメージを優先させる」「無意識が行動させる」の3つが大事です。よく「夢は叶う」という言葉に触れますが、それは脳の仕組みを理解した人が皆に伝えようと呼びかけているのでしょう。そして、それが本当なんだと自己確認できるのが、当セミナー講座です。
今後育てて行きたい人材像
ソフトパークではリーダー養成講座を実施していますが、私自身もその卒業生で、卒業してからもずっとプログラムに参加しています。
それでは「リーダー」って何でしょうか。リーダーになるための必要な条件を考えると、私は「自立」が大切だと思うのです。自分で考えて、自分で判断して、感じて、自分で行動して。それがなければリーダーとして成立しないと思うのです。
「9・11」で私は本物のリーダーに遭遇しました。日本の航空会社窓口ではパニック状態の顧客に対して「わかりません、出来ません」を連呼して顧客の怒りの炎に油を注ぐことをしていました。その一方で、イギリスの航空会社では、素晴らしい制服に身を包んだ“ショーン・コネリー”がやって来て、100人いる顧客に対してこれからどういう行動をとればよいか全ての疑問に答えていくのです。1対1で笑顔のユーモアと勇気ある自信を漂わせて接するのです。すると全員が安心して自分が取るべき行動を始めるのです。最後まで残っていた私に対し彼は笑って言いました。「飛行機が動くまで弊社がホテル代を負担するから安心して。さあ、マティーニをご馳走するから一緒に飲もうよ」。さすがはジェームス・ボンドの国である。私自身、映画007の役者でいるような気分でした。
だからリーダーを作りたい。自分で立案して自分で行動して、何年か経って「根本さん、こんなことができたのですよ」といってくれれば大変うれしいです。
これからの夢~コミュニティを作りたい~
これからの私の夢ですが、コミュニティを作りたいと最近気づき始めています。仲間って大切ですよね。例えば、私の友人で若いうちにがんを患った人もいるのですが、彼らと話していて思うのは、闘病生活っていうのは一人の戦いではないということ。仲間がいる、自分のいいたい本音が言える人がいるというのが重要なのだということが、最近気づき始めました。ところが、そういうコミュニティってないのです。で、みんな孤独になっている。歳を取ると自分が死んでも引き取り手がいない、無縁社会になっていくのだと思います。そういうのを打破したいですね。
ロゼト村の奇跡という話があります。1950年代の米国ラスベガス近くのロゼト村では近隣の村よりも顕著に生活習慣病での死亡率が顕著に低かった。飲酒や喫煙は多いのに!である。研究者はこのように結論を出した。イタリア移民の多い小さなロゼト村に特徴的なことは、見知らぬ人がいない、誰もが笑顔で気軽に挨拶しているコミュニティの存在こそが、健康でいられる要因であると。
NPOソフトパークならこういうコミュニティを広げていくことができると思っています。NPOに興味を持ってくれている人は、そういうコミュニティを求めてきている人が多いと思うのです。これからもいろいろな方法、いろいろな活動を通じて、コミュニティを広げて、皆さんの夢を叶えるお手伝いができたらいいなと思っています。
※アハ!体験(aha! experience)は、英語圏で「わかったぞ」という体験を表す言葉、人間の脳の不思議な能力を表すキーワード。
ジェームス・スキナー
http://www.jamesskinner.com/9ac/letter1/
西田文郎
http://blog.nishida-fumio.com/
インタビュー日時/2010年12月
※所属、役職などはインタビュー当時