男の居場所 投稿日:2014年11月14日
つかの間の開放感(6)
定年後のしばらくの間、自由になった開放感に浸る。
まったくの自由の身だ。24時間すべてが自分のものとなる。 何をやってもよいのだ。
しかしそれもつかの間のことだ。
定年を境に名詞はなくなり、自分を証明するものは何もない。
自分とは何者だろうという問いかけが始まるのがこの時期だ。
自分だけが頼りだが、現実には頼りない自分がそこにある。
何かをしたいのだが、何をしていいかわからない。
会社に行けば“やるべき仕事”があった。
しかしもう誰も指示してくれる人はいない。
逆に指示してやらせる人もいない。
そのとき、身近にいるのは配偶者だけだが、その配偶者との会話が続かないのだ。